2026年1月、広島の地で繰り広げられた第31回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(ひろしま男子駅伝)は、まさに「記録の年」として駅伝史に深く刻まれる大会となりました。平和記念公園前をスタート・フィニッシュとする7区間48.0kmのコースで、世代を超えたタスキリレーが私たちに多くの感動を与えてくれました。
特に今大会では、高校生が担当する第1区で従来の区間記録を大幅に更新する新記録が誕生し、駅伝界に激震が走りました。トップ選手たちの高速化は留まることを知らず、中学生から社会人に至るまで、すべてのカテゴリーでレベルの底上げが証明されたのです。
この記事では、2026年大会の速報結果を詳細にお伝えするとともに、更新された最新の歴代区間記録ランキングを全区間分、余すことなく完全網羅します。なぜこれほどまでに記録が伸びているのか、その背景にある用具の進化やトレーニングの変化についても深く掘り下げて解説していきます。
まずは、今大会で生まれた区間賞獲得者と、その記録がいかに驚異的であったかを示す一覧表をご覧ください。ここから始まる詳細な分析を読む前に、2026年のハイライトを頭に入れておきましょう。
| 区間 | 距離 | 選手名(県名) | タイム | 従来の区間記録 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1区 | 7.0km | 鈴木 大翔(宮城) | 19分06秒 | 19分31秒 | 区間新 |
| 2区 | 3.0km | 関 響佑(静岡) | 08分25秒 | 08分14秒 | – |
| 3区 | 8.5km | 帰山 侑大(群馬) | 23分35秒 | 23分22秒 | – |
| 4区 | 5.0km | 新妻 昂己(兵庫) | 14分05秒 | 14分02秒 | 歴代2位 |
| 5区 | 8.5km | 栗村 凌(福島) | 24分07秒 | 23分32秒 | – |
| 6区 | 3.0km | 逸見 明駿(埼玉) | 08分34秒 | 08分22秒 | – |
| 7区 | 13.0km | 青木 瑠郁(群馬) | 36分57秒 | 36分52秒 | 歴代上位 |
全国都道府県対抗男子駅伝の区間記録と歴代記録を徹底解剖
全国都道府県対抗男子駅伝は、中学生・高校生・大学生・社会人が一つのチームとしてタスキをつなぐ、世界でも類を見ないユニークな形式の駅伝大会です。ここでは、2026年大会の結果を踏まえ、区間記録と歴代記録が持つ意味、そして今大会が歴史にどのようなインパクトを与えたのかを総括的に解説します。
第1区で起きた歴史的パラダイムシフト
2026年大会のハイライトは、何と言っても第1区(7.0km)での記録ラッシュでした。宮城県代表の鈴木大翔選手が叩き出した「19分06秒」というタイムは、単なる区間新記録という言葉では片付けられないほどの衝撃を伴っていました。
従来の記録である19分31秒(2024年・川原琉人選手)を25秒も短縮したこの走りは、1kmあたり約2分43秒という、高校生離れした驚異的なペースで7kmを押し切ったことを意味します。
さらに驚くべきは、鈴木選手だけでなく、2位の増子陽太選手(福島)が19分08秒、3位の新妻遼己選手(兵庫)が19分24秒と、上位3名全員が従来の区間記録を上回ったという事実です。
これまで「19分30秒の壁」と言われていたラインが、一気に「19分10秒の壁」へと引き上げられました。これは気象条件の良さだけでなく、選手たちの意識改革と高速化への対応が実を結んだ結果と言えるでしょう。
高校生区間が勝負を決定づける時代へ
第1区の激走に呼応するように、同じく高校生区間である第4区(5.0km)でも素晴らしい記録が誕生しました。兵庫県の新妻昂己選手が記録した14分05秒は、歴代最高記録である14分02秒(2023年・山口竣平選手)にあと3秒と迫る歴代2位の好タイムです。
5kmという短い距離で数秒を削り出すことは至難の業ですが、新妻選手はロード特有のコースマネジメントと爆発的なスピードで見事に走り抜けました。
現代の駅伝において、高校生区間は単なる「つなぎ」ではなく、チームの貯金を作る「稼ぎどころ」へと変化しています。第1区で流れを作り、第4区、第5区でさらに加速させる。
この黄金パターンを確立できたチームが、最終的な上位入賞を果たしている傾向が、2026年大会でも顕著に表れました。高校生の育成レベルが、都道府県の順位に直結する時代が到来しています。
中学生・一般区間における安定感の重要性
派手な記録更新が目立った高校生区間に対し、中学生区間(2区・6区)と一般区間(3区・7区)では、ハイレベルな中での「安定感」と「競り合いの強さ」が光りました。
中学生区間では、将来のスター候補たちが臆することなく突っ込む積極的なレースを展開し、一般区間では経験豊富なランナーたちが、向かい風や起伏をものともしない熟練の走りを披露しました。
特にアンカー勝負となった第7区では、群馬県の青木瑠郁選手が36分57秒という歴代でも指折りのタイムで優勝テープを切りました。
駅伝は「流れ」のスポーツですが、その流れを最後に決定づけるのはやはり個の力です。各カテゴリーの選手がそれぞれの役割を全うし、1秒を削り出す執念を見せたことが、今大会全体のレベルアップにつながりました。
2026年大会全区間上位成績一覧
ここでは、2026年大会における各区間の上位選手とそのタイムを詳細に紹介します。優勝した選手だけでなく、上位に入った選手たちのタイム差を見ることで、レースの熾烈さがより鮮明に理解できるはずです。
- 1区:鈴木大翔(宮城)19:06、増子陽太(福島)19:08、新妻遼己(兵庫)19:24
- 2区:関響佑(静岡)08:25、尾田祥太(愛知)08:36、菅原篤志(北海道)08:37
- 3区:帰山侑大(群馬)23:35、野中恒亨(静岡)23:36、織橋巧(岐阜)23:48
- 4区:新妻昂己(兵庫)14:05、若林司(宮城)14:07、岸本晟(京都)14:20
- 5区:栗村凌(福島)24:07、菅野元太(宮城)24:13、村上遵世(鳥取)24:28
- 6区:逸見明駿(埼玉)08:34、佐藤大河(愛知)08:35、野本琉樹哉(栃木)08:37
- 7区:青木瑠郁(群馬)36:57、西澤侑真(静岡)36:58、池田勘汰(岡山)37:16
【第1区】歴代記録と2026年詳細|平和公園を駆ける超高速の幕開け

大会のオープニングを飾る第1区は、平和記念公園前を出発し、広島電鉄の軌道敷沿いを走って広電井口駅東へと向かう7.0kmのコースです。平坦で走りやすいコースですが、集団走特有の位置取り争いや転倒のリスクもあり、高い集中力が求められます。
第1区のコース特性と攻略の鍵
第1区の最大の特徴は、スタート直後の大集団による密集状態です。47都道府県のランナーが一斉にスタートするため、最初の1kmは非常に混雑します。
ここで転倒に巻き込まれず、かつ無駄な力を使わずに好位置をキープできるかが勝負の分かれ目となります。また、平和大通りは道幅が広く風の影響を受けやすいため、集団の中で風よけを使いながら体力を温存する駆け引きも重要です。
2026年・第1区のレース分析
2026年の第1区は、スタートからハイペースな展開となりました。牽制し合うことなく、力のある選手が積極的に前に出ることで集団が縦長になり、記録が出やすい状況が生まれました。
特に鈴木大翔選手(宮城)と増子陽太選手(福島)のマッチアップは熾烈を極め、最後はわずか2秒差での決着となりました。この2人の競り合いが、従来の記録を大幅に更新する原動力となったことは間違いありません。
【第1区】歴代区間記録ランキング(2026年更新版)
2026年の結果を反映させた最新の歴代ランキングです。トップ3がすべて2026年の記録で埋め尽くされるという、まさに異常事態とも言える記録更新劇が見て取れます。
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 鈴木 大翔(宮城) | 19分06秒 | 2026年 |
| 2位 | 増子 陽太(福島) | 19分08秒 | 2026年 |
| 3位 | 新妻 遼己(兵庫) | 19分24秒 | 2026年 |
| 4位 | 川原 琉人(長崎) | 19分31秒 | 2024年 |
| 5位 | 佐藤 圭汰(京都) | 19分33秒 | 2020年 |
| 6位 | 上野 裕一郎(長野) | 19分36秒 | 2004年 |
| 7位 | 森下 翔太(岡山) | 19分39秒 | 2022年 |
20年以上前の2004年に上野裕一郎選手が出した記録が長らく目標とされてきましたが、今やその記録は6位にまで後退しています。これが現代駅伝のスピードレベルなのです。
【第2区】歴代記録と2026年詳細|中学生最速を競うスプリント区間
第2区は、広電井口駅東から海老園交差点までの3.0km。中学生が担当する最短区間であり、別名「中学生インターナショナル区間」とも呼ばれることがあります。
短い距離ゆえに、スタートからゴールまでほぼ全力疾走に近いペースが求められ、一瞬の気の緩みが大きなタイム差につながるスリリングな区間です。
第2区のコース特性と攻略の鍵
ほぼ平坦な直線コースが続くため、スピードランナーに圧倒的に有利なコース設定です。タスキを受け取ってすぐにトップスピードに乗る加速力と、後半の乳酸が溜まった状態でもフォームを崩さない持久力が必要です。
また、1区で作られた流れをさらに加速させるか、悪い流れを断ち切るか、チームの勢いを左右する重要な役割も担っています。
2026年・第2区のレース分析
2026年は静岡県の関響佑選手が8分25秒で区間賞を獲得しました。1区の超高速レースの流れを受け、中学生たちも高いレベルでの争いを展開。
2位の尾田祥太選手(愛知)から6位までが8分30秒台でひしめく大混戦となり、中学生ランナーたちの層の厚さを証明する形となりました。
【第2区】歴代区間記録ランキング
2018年に石田洸介選手が樹立した8分14秒という記録が、依然として燦然と輝いています。しかし、2026年の関選手も歴代トップ10に入りそうな好タイムであり、記録更新への挑戦は続いています。
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 石田 洸介(福岡) | 08分14秒 | 2018年 |
| 2位 | 林 田洋(長崎) | 08分17秒 | 2018年 |
| 2位 | 岩本 健一(千葉) | 08分17秒 | 2010年 |
| 4位 | 新妻 昂己(兵庫) | 08分17秒 | 2023年 |
| 5位 | 佐々木 塁(岩手) | 08分19秒 | 2018年 |
注目すべきは、歴代4位にランクインしている新妻昂己選手(兵庫)です。彼は中学生時代にこの区間で活躍し、2026年には高校生として4区で快走を見せています。
このように、2区の好走者が数年後に主力として戻ってくるストーリーも、この大会の大きな魅力です。
【第3区】歴代記録と2026年詳細|宮島街道を行くエースたちの競演

第3区は、海老園交差点から宮島口ロータリーまでの8.5km。前半戦の勝負所となるこの区間には、実業団や大学のトップランナーが集結します。
世界遺産・宮島を対岸に望む風光明媚なコースですが、選手たちにとっては向かい風や微妙なアップダウンに苦しめられるタフなコースでもあります。
第3区のコース特性と攻略の鍵
8.5kmという距離は、スピードとスタミナの両方が高度に要求される設定です。特に宮島口に近づくにつれて風が強くなる傾向があり、単独走になる場合はペース配分が非常に難しくなります。
ここで区間上位で走れる選手は、日本代表クラスの実力者であることが多く、ごぼう抜きが見られる華やかな区間でもあります。
2026年・第3区のレース分析
2026年は群馬県の帰山侑大選手が23分35秒で区間賞を獲得。2位の野中恒亨選手(静岡)とはわずか1秒差というデッドヒートでした。
各チームのエース級が牽制し合いながらもハイペースを刻み、トップ争いの順位が激しく入れ替わる見応えのある展開となりました。この区間での順位変動が、後半のレース展開に大きな影響を与えました。
【第3区】歴代区間記録ランキング
2024年に葛西潤選手が記録した23分22秒が歴代1位です。かつての上野裕一郎選手の記録を塗り替えたこのタイムは、現代駅伝の高速化を象徴しています。
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 葛西 潤(大阪) | 23分22秒 | 2024年 |
| 2位 | 塩尻 和也(群馬) | 23分26秒 | 2024年 |
| 3位 | 上野 裕一郎(長野) | 23分29秒 | 2009年 |
| 4位 | 田澤 廉(青森) | 23分31秒 | 2024年 |
| 5位 | 太田 智樹(静岡) | 23分37秒 | 2024年 |
トップ5のうち4つが2024年の記録で占められています。これは、この年の気象条件が良かったこともありますが、厚底シューズの恩恵を最も受けているのが、筋力のある社会人・大学生ランナーであることを示唆しています。
【第4区】歴代記録と2026年詳細|JR沿線を疾走する高速バトル
第4区は、宮島口ロータリーからJR前空駅東(廿日市市大野)を折り返し、JR阿品駅南までの5.0km。高校生が担当するこの区間は、折り返し点を含むためリズムの変化への対応が求められます。
第4区のコース特性と攻略の鍵
5kmという距離は、トラックの5000m走とほぼ同じ感覚で走れるため、スピードランナーが得意とする区間です。
しかし、折り返し地点での減速と再加速、そして後半の微妙な勾配が選手の脚を削ります。ここでペースを落とさずに押し切れるかどうかが、タイム短縮の鍵となります。
2026年・第4区のレース分析
2026年は兵庫の新妻昂己選手が14分05秒で快走。区間記録にあと3秒と迫る素晴らしいタイムでした。
新妻選手は序盤から積極的な入りを見せ、後半も落ちることなく走りきりました。また、2位の若林司選手(宮城)も14分07秒と好走し、1区で作ったチームの良い流れを持続させました。
【第4区】歴代区間記録ランキング
長野県勢が強さを見せるこの区間ですが、兵庫県の新妻選手が割って入りました。
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 山口 竣平(長野) | 14分02秒 | 2023年 |
| 2位 | 新妻 昂己(兵庫) | 14分05秒 | 2026年 |
| 2位 | 本間 敬大(長野) | 14分05秒 | 2008年 |
| 4位 | 吉岡 大翔(長野) | 14分06秒 | 2022年 |
| 5位 | 秋山 黎(栃木) | 14分07秒 | 2024年 |
【第5区】歴代記録と2026年詳細|タフネスが問われる高校生最長区間
第5区は、JR阿品駅南から広島工大高前までの8.5km。高校生区間としては最長であり、一般区間の3区と同じ距離を走ります。
アップダウンがあり、レース後半に向けて疲労が蓄積する時間帯でもあるため、真の実力が試される区間です。
2026年・第5区のレース分析
2026年は福島県の栗村凌選手が24分07秒で区間賞を獲得。派手なタイムではありませんが、堅実な走りでチームの順位を押し上げました。
この区間での大崩れはチームにとって致命傷となるため、栗村選手のような安定感のある走りが何よりも重要です。
【第5区】歴代区間記録ランキング
2025年に佐々木哲選手が出した23分32秒は、別格の記録として輝いています。
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 佐々木 哲(長野) | 23分32秒 | 2025年 |
| 2位 | 長良 祐輝(兵庫) | 23分39秒 | 2004年 |
| 3位 | 村澤 明伸(長野) | 23分55秒 | 2009年 |
| 4位 | 松井 尚人(福島) | 24分05秒 | 2018年 |
【第6区】歴代記録と2026年詳細|アンカーへ希望をつなぐラスト3km
第6区は、広島工大高前から草津橋までの3.0km。アンカーにタスキを渡す最後のつなぎ区間です。
優勝争いをしているチームにとっては、1秒でも稼いでアンカーを楽にさせたい場面。逆に下位チームにとっては、繰り上げスタートを回避するための必死の走りが見られる区間でもあります。
2026年・第6区のレース分析
2026年は埼玉県の逸見明駿選手が8分34秒で区間賞。中学生らしい溌剌とした走りで、アンカーへの期待をつなぎました。
この区間は、過去に吉岡大翔選手や増子陽太選手など、後に高校生区間で大活躍する選手たちが歴代上位に名を連ねており、逸見選手の今後の成長も非常に楽しみです。
【第6区】歴代区間記録ランキング
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 吉岡 大翔(長野) | 08分22秒 | 2020年 |
| 2位 | 村島 匠(富山) | 08分29秒 | 2010年 |
| 3位 | 増子 陽太(福島) | 08分30秒 | 2023年 |
| 4位 | 林 田洋(長崎) | 08分31秒 | 2018年 |
【第7区】歴代記録と2026年詳細|平和大通りでの最終決戦
最終第7区は、草津橋から平和大通り、城南通りを経由して平和記念公園前へ戻る13.0km。全区間中最長かつ、レースのクライマックスを迎える最も注目度の高い区間です。
広島市内の目抜き通りを走る華やかなコースですが、選手にとっては孤独な長旅となります。
第7区のコース特性と攻略の鍵
13kmという距離は、スピードを持続させるスタミナが不可欠です。特に後半、平和大通りに戻ってきてからの直線が長く感じられ、精神的なタフさが試されます。
また、優勝争いや入賞争いでの競り合いになった場合、ラストスパートのキレも勝負を分けます。
2026年・第7区のレース分析
2026年は群馬県の青木瑠郁選手が36分57秒で区間賞を獲得。これは歴代2位(またはそれに準ずる記録)に相当する素晴らしいタイムです。
青木選手は淡々とペースを刻み、最後まで崩れることなくフィニッシュラインを駆け抜けました。また、2位の西澤侑真選手(静岡)も36分58秒と、わずか1秒差の激闘を演じました。
【第7区】歴代区間記録ランキング
2024年に鈴木芽吹選手が樹立した36分52秒がターゲットタイムとなっています。
| 順位 | 選手名(県名) | タイム | 年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 鈴木 芽吹(長野) | 36分52秒 | 2024年 |
| 2位 | 青木 瑠郁(群馬) | 36分57秒 | 2026年 |
| 3位 | 大田 智樹(静岡) | 37分09秒 | 2024年 |
| 4位 | 設楽 悠太(埼玉) | 37分12秒 | 2018年 |
| 5位 | 大迫 傑(東京) | 37分14秒 | 2012年 |
記録更新を支えるテクノロジーと未来への展望
2026年大会での記録ラッシュを目の当たりにし、私たちは駅伝が新たなフェーズに入ったことを実感しています。ここでは、なぜこれほどまでに記録が伸び続けているのか、その要因を多角的に分析し、今後の駅伝界の展望について考察します。
厚底シューズとランニングエコノミーの革命
やはり避けて通れないのが、厚底シューズの進化です。カーボンプレートによる反発力と、厚いミッドソールによるクッション性は、選手の走行効率(ランニングエコノミー)を劇的に改善しました。
特に第1区や第7区のような長距離区間において、後半の脚の疲労度が軽減されるため、最後までペースを落とさずに走り切ることが可能になりました。2026年の1区で見られたような、前半からのハイペースな突っ込みも、シューズへの信頼感があってこその戦術と言えます。
科学的トレーニングと情報の民主化
トップ選手だけでなく、中高生の記録が伸びている背景には、トレーニング手法の進化と情報の共有があります。SNSや動画サイトを通じて、世界トップレベルの選手のドリルや補強運動、栄養管理の知識が瞬時に手に入るようになりました。
地方の学校にいても、質の高いトレーニングを実践できる環境が整ったことで、才能ある選手が埋もれることなく成長できるようになりました。2026年に宮城や福島の選手が活躍したことも、地域格差が縮小している証左と言えるでしょう。
「ふるさと選手制度」がもたらす化学反応
都道府県対抗男子駅伝ならではの「ふるさと選手制度」も、全体のレベルアップに貢献しています。実業団や大学で活躍するトップランナーが地元に戻り、中高生と一緒にチームを組むことで、次世代の選手たちに大きな刺激を与えています。
憧れの先輩と同じタスキをつなぐ経験は、中高生にとって何よりのモチベーションとなり、「自分もあんな選手になりたい」という強い志を育みます。この好循環が、日本の長距離界全体の底上げにつながっているのです。
2027年以降の展望:夢の「18分台」へ
2026年に第1区で19分06秒という記録が出たことで、次は「18分台」という未知の領域が現実的な目標として視野に入ってきました。
人類の限界への挑戦は終わることがありません。シューズのさらなる進化、トレーニングの高度化、そして選手たちの飽くなき探求心によって、来年以降もまた新たなドラマと記録が生まれることでしょう。
まとめ
2026年の全国都道府県対抗男子駅伝は、これまでの常識を覆す記録的な大会となりました。第1区での鈴木大翔選手の区間新記録をはじめ、各区間で繰り広げられた熱戦は、駅伝ファンのみならず多くの人々に感動を与えました。
この記事で紹介した歴代記録リストは、単なる数字の羅列ではありません。そこには、その時代を駆け抜けた選手たちの汗と涙、そして努力の結晶が詰まっています。新しい記録が生まれるたびに、過去の偉大な記録もまた、その価値を再認識されるのです。
進化を続ける駅伝の世界。来年はどのようなヒーローが誕生し、どのような歴史が刻まれるのでしょうか。最新のデータと歴史的背景を知った上で観戦すれば、その興奮は何倍にもなるはずです。これからも、選手たちの情熱が紡ぎ出すドラマから目が離せません。


